事例2 障がい者支援信託
障がいがある子が、両親の死後、生活に困らないような資産承継方法は?の疑問を解決する事例を解説します。
Aは82歳です。Aの意思能力ははっきりとしており、奥さんBは3年前に他界しています。
長男Cは48歳、重度の知的障がい者施設入所しています。次男C45歳は中度の知的障がい者で自宅から通所施設に通っています。
父Aさんは、自分自身が認知症になっても、その後自分自身が死んだ後も、長男C、次男Dとも自立生活が困難な状況であり、生涯面倒を看ていかなければならないとの考えいます。幸い、亡母Bさんの姪Eさん(40歳)が協力すと約束しています。
家族信託を利用して解決へ
父A(委託者)と姪E(受託者)との間で、当初受益者は父Aとし、信託財産は、Aさん所有の不動産と預貯金とした信託契約を締結します。
信託契約を結ぶことにより、Aさんが認知症になっても、Aさんの希望通り障がい者の長男Cと障がい者の次男Dへの日常生活費等を姪E(受託者)さんが必要に応じて支払いができるようになります。
Aさんが亡くなったときは、次の受益者を長男C、次男Dとし、切れ目なく長男C、次男Dの生活の安定や療養介護を行うことができます。信託は、長男C、次男D両名の死亡をもって終了とし、信託財産の帰属先を姪Eさんとします。
家族信託の効果
信託契約をすることにより、認知症になったとしても、障がい者の長男Cと障がい者の次男Dへの生活の安定や療養介護を行うことができます。姪Eさんが、受諾者として適切に事務を執り行っているかを監督し、またアドバイスする信託監督人として、専門家を置くことを勧めます。