事例6 ペット信託Ⓡ
家族同然のペットを、自分が認知症になった後や自分の死後も守るには?ペット信託の事例について解説します。
Aさんは73歳、一人暮らしをしているが、長年可愛がってるた15歳と2歳の猫が2匹います。自分の年齢から最後まで飼い続ける自信がない。
Aさんには、一人娘のBさん(40歳)がいるが、結婚して遠方に住んでいる。Bさんが居住しているマンションはペットの飼育を禁止で、飼うことが難しい。
家族信託を利用して解決へ
家族信託以外の方法で、AさんがDさんに身体が不自由になったり、認知症になった場合は移行型任意後見契約で依頼し、死亡した後は、負担付遺贈の遺言書を残すことも考えたが、確実に飼育されるか確認することが難しい。
そこで、Aさんを委託者兼当初受益者、Bさんを受託者、Aさんが亡くなった時、Bさんを2次受益者とし、500万円と、2匹の猫(動産)を信託財産とする家族信託契約を締結する。
家族信託の効果
信託契約をすることにより、2匹の猫とともに信託された財産500万円は、ペットの飼育費以外に使うことができなくなる。Aさんが死亡しても信託契約は終了しない。
Bさんは、自ら猫を飼えないので、Bさんは、Cさんや、動物愛護施設等にペットの飼育を依頼し、その費用については、信託財産を使う。
2匹猫が亡くなった時、信託は終了し、残余財産は二次受託者に指名されたBさんに帰属するようになっている。
ペット信託により、Aさんの死亡後、ペットが保健所で殺処分となるような事態は回避することができ、Aさんは、安心して愛猫と暮らすことができる。
*Cさんが契約通り財産管理等することを監督し、またアドバイスする信託監督人として、専門家を置くことを勧めます。